歩く度に痛みが生じやすいアキレス腱炎。現在ではアーチサポーターや手術療法などいろいろな治療対策がございます。
こちらではアキレス腱炎を緩和するリハビリ治療やリハビリ活用としても有効な治療方法をご紹介します。
■目次
アキレス腱炎とは?
ふくらはぎの筋肉と踵(かかと)をつないでいる部分をアキレス腱といい、アキレス腱を使うことで、歩いたり走ったり、ジャンプをすることができます。しかし、激しい運動を続けていると、アキレス腱に炎症を起こしてしまいます。これがアキレス腱炎と呼ばれるものです。
スポーツ選手の障害として発症が多く見受けられます。一回の動作で発生する場合と繰り返して行う動作によりダメージが蓄積し、アキレス腱に僅かな部分断裂などの変化が生じて発生する場合があります。アキレス腱周囲炎を同時に発症していることも多く、これらを区別することは難しい場合もあります。
名称は異なりますが、治療方法などに大きな違いはありません。アキレス腱炎は自宅でも治療できる場合もありますが、治らない場合には医療機関などで治療を行うことが大切です。悪化してしまうと、腱が断裂する可能性もあります。
アキレス腱炎になる原因
アキレス腱炎を発症する原因の多くは過剰な運動によるものです。スポーツ選手に特に多くみられます。一方、スポーツをされない場合でも発症するケースもあります。
アキレス腱に繰り返して負担をかけてしまう動作が、アキレス腱炎を発症させる要因となります。
原因の具体例としては次の通りです。
- 準備運動を十分にしない状態で急激に運動をしてしまう
- スポーツや日常の動作において、ふくらはぎの筋肉に繰り返して負担を掛けている
- 急なスピードから止まったり、方向を変えるスポーツをしている
- 古くなった靴や、足に合わない負担の大きな靴を使用している
- かかとの高い靴を使用している
- 偏平足など足の部位が変形している
また、アキレス腱炎は加齢によって起こる腱の変化によっても発症するので、40代以上でランニングやウォーキングなどの運動をしている人に多く発症しています。アキレス腱を過剰に使用していることから発症してしまうのでアキレス腱炎の発症と運動量においては、密接な関係があります。
アキレス腱炎の症状
アキレス腱炎の症状としては、歩いたり走ったりするときに痛みを感じたり、踵に腫れが発生します。また、足を曲げる動作をするときにふくらはぎの筋肉が引っ張られて、可動域が限られてしまう症状も起こります。
アキレス腱が腫れあがり、患部を押すと痛みがより大きくなります。激しい運動をした後や起き上がった時の歩行開始時に強い痛みを感じ、症状が進行して悪化すれば何もしていなくても痛みを感じることがあります。それから足の関節を動かす事ことで痛みがより強くなります。
症状が進行していけば足の関節が動きにくくなり、足の関節を動かすとアキレス腱からきしんだ摩擦のような音が聞こえる場合があります。
アキレス腱炎の検査と診断
診断として、親指の付け根部分で立って、足の可動域や柔軟性を確認します。患部に触れることで痛みや腫れのある部位を詳しく確認することができます。
また、画像検査としては次の検査を行います。
- X線で足の骨の状態について画像で確認
- MRI(磁気共鳴画像)で足の組織の変化を検知
- 超音波でアキレス腱の動きや関連する損傷や炎症を確認
アキレス腱炎の痛みを緩和する治療方法
手術を行わない保存治療を原則として、強い痛みがある時は運動を控えて安静にします。湿布を貼ったり消炎鎮痛薬の服用、理学療法での電気治療も有効です。
足を少し高い位置にし、踵を上げると、アキレス腱への緊張が軽くなり痛みが軽減されます。また、偏平足など足の部位が変形している場合、足底挿板を使用することでアキレス腱への負担が軽くなります。
スポーツ選手に対しての注射の使用は、腱が変化したり断裂を起こす可能性があるので、慎重に判断しなければなりません。慢性的に再発を繰り返してしまう場合、手術によってアキレス腱を再建する方法もあります。
症状が改善してくれば徐々にスポーツや動作を始め、スポーツ開始前のストレッチをしっかり行い、スポーツの後にはアイシングを行うようにします。
アキレス腱炎のリハビリ方法
リハビリはアキレス腱炎の症状が落ち着いてから始めます。
ふくらはぎの筋力や柔軟性が低下しているので、水中歩行のようにアキレス腱に掛かる負担を小さくし、ある程度の運動ができる方法がお勧めです。また、片足で立ったりスクワットでアキレス腱の動きを改善することで、再発予防をすることができます。
アキレス腱を改善するには、足の柔軟性や筋力を改善することが必要となりますが、リハビリの前後に血行を促進するためにマッサージをしたり電気治療器を活用するのが有効な方法となります。
アキレス腱炎のリハビリ方法
そもそもなぜ電気治療が有効かというと、通電することにより「自然治癒力を高める」ことができるからです。
基本、痛みが発生している部位は筋肉が固まったりと緊張しています。つまり筋肉は疲れ切った状態なのです。
ちなみに筋肉の構造は次の要素から成り立っています。
- 筋束(筋繊維・筋原繊維)
- 血管(動脈・静脈)
- 神経
- リンパ管
→ 多数の筋繊維から成り、さらに筋繊維は多数の筋原繊維から構成している
→ 筋束の間に動脈と静脈の血管が張り巡らされている
→ 脳からの指令による調節する役割(血管のように張り巡らされている)
→ 老廃物などを拾い集める
筋肉が硬くなると、栄養分や酸素などを運ぶ血管の流れも悪くなるので、周囲の細胞は正常な状態を保つことができなかったり、体に不要な老廃物などの回収されにくくなるので、体に悪影響を及ぼしたり、また血行不良によって、神経も圧迫され、うまく調節ができなくなったりして、同時に痛みも感じるようになります。
そのような硬くて疲れ切った筋肉を柔らかくして、活性化してあげれば、血行もよくなり、老廃物もなくなり、神経もうまく調節され、その結果痛みがなくなるのです。
言い換えれば、通電によって自然治癒力が高まることで、活性化につながるということです。
どんな電気治療器がいいの?
では、どのような種類の電気治療器が有効なのでしょうか?
どのような治療器でも有効が答えです。
治療家の指導や扱いのもとで、電気治療ができればそれほど効果に差はございません。また実際に様々な種類の電気治療器があります。
簡単にいえば、よく目にする某有名メーカーが市販している低周波治療器に、整骨院などの治療院が主に扱う中周波から高周波治療器、干渉波治療器、微弱電流治療器などがあります。
微弱電流治療器である定電流治療器AAPはアキレス腱炎に使用できるとの声も頂いております。
テニス協会に所属し、テニス業界でも超有名と言われるプロテニスコーチの小浦猛志先生も実際アキレス腱炎で使用して頂いた治療器でもあります。なんと彼はあの伊達公子を育て上げたコーチなのです。
そんな彼が合宿中に左足アキレス腱を全断裂しましたが、健康維持の為に定電流治療器AAPが役立っています。
実際に小浦先生が定電流治療器AAPの使い方を説明している動画もございます!下記の記事内にある動画をご覧ください。
→ 定電流治療器AAPの使用方法動画はこちら
アキレス腱炎の予防法
アキレス腱炎を予防するために、ふくらはぎのストレッチを行ないましょう。毎日、動き出す前にストレッチを行なっておくと、足の動きの機敏さが良好になり、怪我をする場面を少なくすることができます。
また、トレーニングやスポーツの前後には、ストレッチを行ってください。アキレス腱のストレッチは、背筋を真っ直ぐに伸ばして立ち、踵を地面に着いた状態で、体を前にかがめます。この時、痛みを感じるようであれば何らかの症状が発生している可能性があります。
さらに、今までにやったことのない動きを始める前には、特に体の状態に気を使わなければなりません。ふくらはぎや踵に強い負荷を与えるような激しい動きを抑えることが、アキレス腱炎発症のリスクを小さくすることになります。
スポーツを行うときには、体を大きく使う運動と小さく動かす運動を組み合わせて、アキレス腱に掛かる負担を少なくすることが大切です。
それから、アキレス腱やふくらはぎへの負担を軽くするためには、常に自分に合った靴を選ぶことが大切です。足に負荷の掛からない正しい性能を備えた靴選びが重要です。
ハイヒールのように踵の高い靴から低い靴にはきかえると、アキレス腱に痛みを感じる場合があります。毎日ハイヒールをはくことによって、アキレス腱が短くなったり締まってしまうからです。低い平らな靴にはきかえると、さらに足を曲げてしまうことになりますが、ハイヒールを着用する方は、このような状態に慣れていないので、痛みを感じてしまうことがあります。この問題を解消するための効果的な方法として、ヒールの高さを少しずつ低くしていく方法があります。少しずつ低くすることによって、アキレス腱がゆっくりと伸びるようになり、足の動きの範囲を広げることができます。